House View Weekly

バリュー株へのローテーションは継続

米連邦準備理事会がタカ派寄りの姿勢に転換したのを機にバリュー株が下落したが、我々はバリュー株へのローテーションが再開すると予想する。

今週の要点

バリュー株へのローテーションは継続

6 月 16 日まで開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では 2023 年中に 2 回の利上げの可能性が示唆され、米連邦準備理事会(FRB)はタカ派寄りの姿勢に転換した。この転換は、金利上昇の影響を受けやすいグロース株よりバリュー株にとって有利となると予想されていたが、ラッセル 1000 グロース指数は 2.7%上昇したのに対し、同バリュ ー指数は 0.6%の低下となった。しかし、我々は複数の理由から、バリュー株へのローテーションが再開すると予想する。第 1 に、世界経済の正常化がさらに進み、FRB が債券購入の縮小(テーパリング)に向かうにしたがい、米国 10 年国債利回りが(足元の約1.51%から)年末までに 2%程度に上昇すると予想していることだ。これはグロース株の足かせとなる。第 2 に、バリュー株は現在のように経済が力強く拡大している時期に上昇するということだ。我々は、米国の経済成長率は昨年のマイナス 3.5%から今年は6.8%の大幅プラスに転じると予想している。最後に、バリュー株と比べたグロース株の予想 PER(株価収益率)の比がドットコムバブル以降で最高の 1.8 倍近くに達しており、グロース・セグメントが特に金利の上昇に脆弱となっていることだ。

要点:我々は引き続き米国のバリュー株を推奨し、このところの下落局面を捉えてポジションを追加構築することを勧める。セクター別では引き続きエネルギーや金融を推奨する。また、米国、アジア、欧州の経済再開の恩恵を受ける一部銘柄に巻き返しの可能性があるとみる。

中小型のテクノロジー株式にアウトパフォームの見通し

我々が追跡している世界の中小型のテクノロジー銘柄はこの 1 カ月で 10%近く上昇した。対して世界の超大型のテクノロジー銘柄は 5%足らずの上昇にとどまった。こうした中、一部の投資家の間では、中小型株は過熱しすぎており、巨大テクノロジー株式に回帰すべきではないかとの見方が広がっているが、我々はそうはみていない。我々の予想では、今年は巨大テクノロジー企業の増益率が 20%程度となるのに対し、世界の中小型テクノロジー企業の増益率は 25%近くとなる見通しである。また、中小型テクノロジー企業の株価収益率(PER)は 20 台前半と、巨大テクノロジー企業の 20 台後半と比べて魅力的である。また、巨大 IT 企業は規制という逆風にも直面している。例えば、中国の大手 IT 企業は独占禁止法違反で国内過去最高の 28 億米ドルにのぼる罰金を科され、2021 年 1‐3 月期決算では創業以来初めて損失を計上した。ただし、大半の国の政府は公平な環境を整え新しい企業のイノベーションを促そうとしているため、中小型のテクノロジー企業にこうした厳しいメスが入る可能性は低い。さらに、中小型のテクノロジー企業のバリュエーションは依然として魅力的であり、巨大テクノロジー企業による買収が恩恵をもたらす可能性がある。

要点:巨大テクノロジー株式に多大なエクスポージャーをとっている投資家には、中小型テクノロジー銘柄への分散投資を勧める。テクノロジー市場の中小型セグメントは、 5G、フィンテック、ヘルステック、グリーンテック、デジタルサブスクリプションなど、構造的な成長テーマへの足がかりにもなる。

2021 年は足踏みするも、グリーンテックへの機会は健在

年初からこれまでのところ、MSCI オール・カントリー・ワールド指数のトータルリターンは 12.6%のプラスとなっているのに対し、S&P 500 グローバル・クリーンエネルギー指数は 17%のマイナスとなっている。2020 年は再生可能エネルギーの生産急拡大予想を背景に 140%近く上昇していただけに、これは大幅な下落である。しかし、この反落がグリーンテックへの投資熱に水を差すとは考えていない。エネルギー効率化、蓄電池技術、電気自動車部品、半導体などのイネーブリング技術に従事する企業を含め、グリ ーンテック分野は再生可能エネルギー以外も十分に下支えされている。こうした企業の多くは、昨年は大手の再生可能エネルギー企業ほどには上昇しなかった。S&P グローバル・クリーンエネルギー指数もさほど割高とはなっておらず、足元では 5 年平均を 1標準偏差上回っているに過ぎない。一方、半導体やポリシリコンなどの供給不足と材料コストの上昇圧力は脱炭素化を進める一部企業の足かせとなったが、こうした足かせ要因は今後は解消に向かう可能性が高い。バイデン米大統領が提案するインフラ投資計画は、審議が進む中で、引き続きグリーンテック分野のボラティリティ要因となるおそれがある。最新の支出案は当初予想されたものより規模が小さいとはいえ、電気自動車や水インフラなどの分野の支援要因となることが期待される。規制に加え、環境にやさしい製品を求める消費者の嗜好を受けて、すでに強力なグリーンテックの成長の道筋に対するさらなる支援材料といえる。

要点:グリーンテック分野には引き続き厳選された投資機会が見られる。今後は、複数のグリーンテック企業に供給する部品メーカーやイネーブリング技術に有望な機会があるとみる。

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本稿は、UBS AG が作成した UBS House View-Weekly Global (2021 年 6 月 28 日付)を翻訳・編集した日本語版として 2021 年 6 月 30 日付でリリースしたものです。本稿の末尾に掲載されている「免責事項と開示事項」は大変重要ですので是非ご覧ください。過去の実績は将来の運用成果等の指標とはなりません。本稿に記載されている市場価格は、各主要取引所の終値に基 づいています。これは本稿中の全ての図表にも適用されます。

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