金相場

金価格予想を更に引き上げ

金の需要は、2026年を通じて着実に増加すると予想する。CIOでは2026年3月、6月、9月の金価格予想を1オンス当たり5,000米ドルに引き上げる(従来は4,500米ドル)。

  • 2025年末の金価格は最高値の更新が続いた。米ドルの弱含みや地政学的緊張の高まり、季節的な流動性の低下などにより、実物資産への需要が高まったことが背景にあり、1年を通じて1979年以来の大幅な上昇を記録した。
  • 米国の利下げが予想され、米連邦準備理事会(FRB)の独立性に対する懸念が広がり、政府債務が増加する中、中央銀行による購入の継続、上場投資信託(ETF)への投資の増加、金地金やコインへの需要拡大も金価格上昇を下支えしている。
  • CIOでは金の投資判断をAttractive(魅力度が高い)で据え置き、ポートフォリオのヘッジ手段として今後も有効だと考える。2026年3月、6月、9月の金価格予想を1オンス当たり5,000米ドルに引き上げ(従来は4,500米ドル)、米国中間選挙を通過した2026年末には4,800米ドルへ緩やかに下落すると予想する(従来予想は4,300米ドル)。

金の需要は、実質金利の低下、世界経済に対する懸念の継続、中間選挙や財政懸念の高まりなどに伴う米国の国内政策の不確実性を背景に、2026年を通じて着実に増加すると予想する。米国の財政の健全性を不安視する見方が強まる中、中央銀行や投資家の間では、金のようにカウンターパーティリスク(取引先が破綻するリスク)を伴わない実物資産を選好する動きが今後も続くと考える。ここ数年、相場に大きな影響を及ぼしてきたのは中央銀行をはじめとする公的部門であり、2026年も外貨準備などの戦略上、金の購入に注力するだろう。最新の予想では、2026年の金購入量は950トンに達するとみている(従来予想は900トン)。

金の上場投資信託(ETF)にも引き続き高い関心が集まる見通しであり、2026年の金ETF流入量は825トンと予想する(従来予想は750トン)。この値は2010-2020年の年間平均流入量の2倍超である。ただし、金価格は非常に高い水準にあり、米連邦準備理事会(FRB)が市場の予想に反してタカ派姿勢に転じた場合や、ETFからの大規模な資金流出が市場に影響を及ぼした場合には下落要因となる。過去のパターンは、米国での選挙後に価格調整局面が訪れる可能性も示唆している。以上を踏まえ、CIOでは、2026年3月、6月、9月の金価格予想を1オンス当たり5,000米ドル(従来は4,500米ドル)とし、年末までに4,800米ドル(同4,300米ドル)へ調整するとみている。一方で、政治面や財政面のリスクが高まれば、金価格は5,400米ドルへ上昇する可能性もある(従来予想は4,900米ドル)。

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本稿はUBS AG Singapore BranchおよびUBS Switzerland AGが作成した“CIO View: Gold - Gold continues to be repriced”(2025年12月29日付)を翻訳・編集した日本語版として2026年1月6日付でリリースしたものです。本レポートの末尾に掲載されている「免責事項と開示事項」は大変重要ですので是非ご覧ください。過去の実績は将来の運用成果等の指標とはなりません。本レポートに記載されている市場価格は、各主要取引所の終値に基づいています。これは本レポート中の全ての図表にも適用されます。

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