House View weekly

経済成長に乖離、選別が重要に

米国経済の減速感が強まる一方で、ユーロ圏経済は底堅く、また中国経済の見通しは引き続き改善している。

今週の要点

地域間で経済成長に乖離が生じており、選別が必要に

米国経済の減速感が強まる一方で、ユーロ圏経済は底堅く、また中国経済の見通しは引き続き改善している。米国では、2022年10-12月期GDP成長率が前期比年率+2.9%となるなど、昨年終盤のマクロ経済データは市場予想を上回って堅調となったが、1月の企業景況感データは7カ月連続で節目の50を下回り、経済活動の縮小を示した。一方、ユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)は昨年6月以降で初めて50を上回り、経済活動の拡大を示した。

こうした乖離により、主に3つの投資への影響が考えられる。1つめとして、新興国株式市場とドイツ株式市場が主に恩恵を受けると予想される。新興国株式市場は、中国経済の再開に伴う輸出需要の高まりがプラス材料となる。また、米国経済の減速が進む中で予想される米ドル安も一般にプラス材料である。新興国株式市場のバリュエーションは魅力度が高いと考える。MSCIエマージング・マーケット指数のバリュエーションは、MSCIワールド指数に対して40%割安な水準にある(12カ月先予想株価純資産倍率(PBR)は前者が1.5倍、後者が2.5倍)。過去の実績に基づくと、新興国株式の今後12カ月のリターンはプラスが予想される。

輸出関連企業の比重が高いドイツ株式市場も、中国の経済再開が最近の天然ガス価格低下とともにプラス材料となるだろう。

2つめは、世界経済が中国の早期の経済再開により転換点を迎え、コモディティ、特に原油や産業用金属の需要を支えるとみていることである。3つめは、通貨市場で、豪ドルが足元の経済トレンドにより最も恩恵を受けるとみていることである。豪ドルは、中国経済の再開、比較的堅調な国内景気、中央銀行のタカ派姿勢がプラス材料と考える。

要点:我々は新興国株式、コモディティ、豪ドルを推奨する。

プライベート市場の魅力度が高い

2023年は公開市場が転換点を迎えると予想するが、投資家にはプライベート市場(非公開市場)の投資機会にも目を向けることを勧める。足元の環境はプライベート・エクイティおよびプライベート・クレジットの双方にとって良好と考える。

プライベート・エクイティについては、公開市場が下落した後の数年の間に投資資金を新たに投じることにより、長期にわたりリターンを獲得できることが過去のデータから示されている。また、企業ファンダメンタルズ(基礎的条件)は一部で悪化が予想されるものの概ね良好で、未上場企業の業績および利益率は全般的に堅調である。また、市場の一部領域におけるバリュエーションの歪みは魅力的な投資タイミングを提供している。企業オーナーが株式売却または売却価格の引き下げを余儀なくされるケースも生じうる。

プライベート・デットのファンドマネジャーは潤沢な待機資金を有しており、市場の歪みおよび流動性悪化を活用することができる。マネジャーは交渉において、有利なスプレッド、低レバレッジ、厳格なコベナンツ(財務制限条項)を要求する。変動利付きローンは、今後高リターンが期待できる。プライベート・ローンのデフォルト(債務不履行)率は、約1%の低水準から今後数四半期の間に上昇する可能性はあるが、過去データによると、プライベート・ローンはかつてのクレジット・サイクルの後退局面において低いデフォルト率と高い回収率を維持することができた。

要点:現在の投資環境では、ディストレスト戦略(経営破綻や不振に陥った企業の債権に投資する戦略)やリストラクチャリング戦略(事業再編する企業の債権に投資する戦略)、および株式非公開化、事業分割・会社分割などバリュー志向のバイアウトの領域で投資機会が生まれているとみている。投資家は、プライベート市場への投資が低流動性リスクなど一部難点を伴うことに留意し、長期にわたる継続投資が必要になる。

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本稿は、UBS AGが作成したUBS House View-Weekly Global (2023年1月30日付)を一部翻訳・編集した日本語版として2023年1月31日付でリリースしたものです。本稿の末尾に掲載されている「免責事項と開示事項」は大変重要ですので是非ご覧ください。過去の実績は将来の運用成果等の指標とはなりません。本稿に記載されている市場価格は、各主要取引所の終値に基づいています。これは本稿中の全ての図表にも適用されます。

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