ドル円

年初来の上昇が一部反転

7月の米連邦公開市場委員会以降、米ドルが円に対して急落している。米連邦準備理事会の利上げサイクルが終わりに近づいているとの市場の思惑が高まったためだ。

  • 7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降、米ドルが円に対して急落している。米連邦準備理事会(FRB)の利上げサイクルが終わりに近づいているとの市場の思惑が高まったためだ。
  • ドル円を左右する鍵として、今後発表される米国のインフレ指標が注目されるだろう。消費者物価指数(CPI)が低下しなければ、最近のドル安は即座に反転する可能性がある。
  • すでに米ドルを売って円を保有している投資家は、このところの米ドルの反落を捉えて再度米ドルを買うことも選択肢となる。

7月のFOMCを受け米ドルが下落

ドル円は7月のFOMC以降、以前の1米ドル=137円近辺から一時130.5円まで急落し、本稿執筆時点では133.8円近くでもみ合っている。米ドルが幅広く売られたためだが、円の反発も他の先進国通貨より急激だった。

ここ最近のドル安円高の動きは、年初から急速に進んだ米ドル高の一部巻き戻しであり、年初の1米ドル=115円から7月中旬には139~140円まで上昇した。グローバル投資家は年初以降、主にドル円を通じてFRBのタカ派姿勢に賭けるポジションを構築してきた。FRBの利上げサイクルが近く終了するとの思惑が高まった今、ドル円は激しい利益確定売りに押されている。日米金利差に対する見直しが進む中で、さらなる利食い売りから1米ドル=130円を割り込むこともありうる(図表1参照)。

我々は、中長期的には米ドルが円に対して下落するとの予想を変えていないが、今回の急激なドル円の下落は我々の想定よりも早急すぎる。だが、ドル円が本当に下落基調に転じたのかどうかは、8月10日に発表される7月の米国CPIにかかっている。CPIが市場予想を上回った場合、市場がFRBの積極的な利上げ路線を再び織り込めば、最近のドル安円高への動きが急反転する可能性がある。図表2が示す通り、足元のフェデラルファンド(FF)金利先物は、2023年に0.47%の利下げを織り込んでいる。だがこれは、FRBが2023年に0.5%の利上げを示唆した6月のドットチャート(政策金利見通し)とは相反する。このことは、CPIの高止まりが現在の市場予想よりも長期に亘った場合、米ドルは再び円に対して上昇する可能性があることを示している。

投資判断

ドル円は、ポジション調整により目先値動きの激しい展開が続く(つまり、さらなる利益確定売りにより米ドルが一段と下落する)可能性がある。10日に発表されるCPIの結果次第で、ドル円は高安双方向に動くリスクがある。すでに米ドルを売って円を保有している投資家は、このところの米ドルの反落を捉えて再度米ドルを買うことも選択肢となる。

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本稿はUBS AG Singapore BranchおよびUBS Switzerland AGが作成した“USDJPY: A partial reversal of its year-to-date overshoot”(2022年8月3日付)を翻訳・編集した日本語版として2022年8月4日付でリリースしたものです。本レポートの末尾に掲載されている「免責事項と開示事項」は大変重要ですので是非ご覧ください。過去の実績は将来の運用成果等の指標とはなりません。本レポートに記載されている市場価格は、各主要取引所の終値に基づいています。これは本レポート中の全ての図表にも適用されます。

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