ドル円

日銀は金融緩和を維持

ドル円の見通しについて、2022年9月を140円、12月を138円、2023年3月を135円に変更する。

  • ドル円の見通しについて、2022年9月を140円(従前予想:133円)、12月を138円(同130円)、2023年3月を135円(同127円)に変更する。
  • 日銀が金融緩和の維持を改めて表明したほか、米ドル高基調や欧州の景気減速懸念などから、ドル円は目先、引き続き上昇傾向が続くだろう。
  • 日銀が2022年後半ないし2023年前半に金融政策の正常化に踏み切り、米連邦準備理事会(FRB)が2023年後半に利下げに転じれば、ドル円は2023年3月に135円に向けて下落するだろう。

日銀は大規模金融緩和政策を維持、当面さらなる円安の可能性

日銀は21日の金融政策決定会合で大規模金融緩和を維持することを決定し、今後もハト派姿勢を維持することを改めて表明した。黒田日銀総裁は会合後の記者会見で、最近の急速な円安は経済にとってマイナスであると指摘したうえで、為替は経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)を反映することが重要であると述べた。円を安定させるには、口先介入よりも実際に金融政策を調整することが重要であると我々は考える。大半の主要中央銀行が金融引き締めに動く中、円は引き続き資金調達通貨として選好されることから、当面はさらなる円安が見込まれる。ドル円の見通しを引き上げたもう1つの理由は、米ドルが幅広い通貨に対して目先上昇する余地が大きいとみていることだ。欧州経済の鈍化懸念が重しとなり、ユーロは今後数カ月以内に再び対米ドルでパリティ(1米ドル=1ユーロの等価)割れとなる可能性がある。また、FRBは7月に再び0.75%の利上げを行うとみられる上に、消費者物価指数(CPI)などインフレ率が高止まりしていることを受け、タカ派姿勢を改めて表明することが予想される。

ドル円はいつ反転するのだろうか。我々は、複数の要因から、反転は2022年10-12月期以降となると予想する。1つ目は、米CPIは今後数カ月で徐々に低下し、FRBは金融引き締めペースを減速し (9月0.5%、11月と12月に0.25%)、2023年後半には利下げサイクルに入る(2023年9月から12月の間に0.75%)と予想していることだ。2つ目は、日本の需給ギャップが改善し、期待インフレ率と賃金上昇にさらなる加速の兆候が見られれば、日銀は2022年後半ないし2023年前半に金融政策の調整に乗り出すと予想していることだ。黒田日銀総裁が2023年4月に任期を満了し、後任にタカ派寄りの新総裁が任命されれば、中期的に金融政策正常化の追い風となる可能性がある。

投資判断

見通し:日銀は目先ハト派姿勢を維持するため、ドル円は短期的に140円またはそれを超える円安方向に動く可能性がある。

レンジ:FRBがタカ派姿勢を弱め、日銀がハト派姿勢を弱めるまでは、ドル高円安傾向が続く可能性がある。ドル円の次なる重要な上値抵抗線は147.7円(1998年8月につけた高値)となろう。

リスク要因:世界的な景気後退に見舞われ、米国債利回りが急落するリスクシナリオの場合、ドル安円高に反転し、1米ドル=120円を割り込む可能性も考えられる。

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本稿はUBS AG Singapore BranchおよびUBS Switzerland AGが作成した“USDJPY: No surprises from the BoJ”(2022年7月21日付)を翻訳・編集した日本語版として2022年7月25日付でリリースしたものです。本レポートの末尾に掲載されている「免責事項と開示事項」は大変重要ですので是非ご覧ください。過去の実績は将来の運用成果等の指標とはなりません。本レポートに記載されている市場価格は、各主要取引所の終値に基づいています。これは本レポート中の全ての図表にも適用されます。

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