弱気相場の手引き

リスク管理し、投資機会を捉える

「弱気相場」とは、S&P500種株価指数が直近の高値から20%超下落する状況を指す。これは、必ずしも投資の成功を脅かすものではない。しっかりと準備をしていれば、長期リターンを改善させる機会にもなり得る。

「弱気相場」とは、S&P500種株価指数が直近の高値から20%超下落する状況を指す。「20%」という線引きは恣意的に響くかもしれないが、この水準を超えることは、心理的に苦しいものの短命(月単位)に終わる相場の調整と、その後数年にわたる相場の回復期間(強気相場)を分ける重要な線とされてきた。

弱気相場は市場サイクルの一環をなすものであり、投資において避けられるものではない。にもかかわらず、弱気相場やリセッション(景気後退)について議論することは、ある種タブー視されている。まるで弱気相場やリセッションの存在を認めることによって、発生の可能性が増大するかのように。

タブー視することは、投資パフォーマンスには逆効果だ。弱気相場を詳しく理解すれば、それが見た目ほど恐れるべきものではないことがわかる。本レポートでは、次の3つの質問にお答えする。

1.弱気相場の特徴は何か?
2.いつかは訪れる弱気相場に対して、どのようなポートフォリオと投資計画を策定すればよいのか?
3.弱気相場に突入したら、どのような手段を講じるべきか?

弱気相場に万能薬は存在しない。投資家であればほぼ誰もが、現役時代または退職後にも、弱気相場に何度かは遭遇し、苦い思いを経験するだろう。しかし、そうした感情と、実際の損失は同じではない。我々の調査によると、弱気相場に対する防衛策には、必ずしも高いコストはかからない。とりわけ、投資家の側から積極的に行動すれば低コストで乗り切ることが可能だ。本レポートで紹介する通り、弱気相場は、必ずしも投資の成功を脅かすわけではない。実のところ、しっかりと準備をしていれば、長期リターンを改善させる機会にもなり得ると考える。

弱気相場の特徴

まず、「弱気相場とは何か」を定義することから始めよう。本レポートでは、弱気相場を「米国の大型株がピークから底まで少なくとも20%下落する現象」と定義する。ただし、我々は、この期間(ドローダウン期間)だけに注目するのではなく、株価が次の史上最高値に達するまでの期間についても考える(これを「回復」期間と呼ぶことにする)。

「20%」は、恣意的に響くかもしれないが適切な基準だ。心理的に苦しいが短命に終わる相場下落の多くが対象外になるからだ。10%以上20%未満の下落を、通常は「強気相場での調整」と呼ぶ。10%に満たない下落については、一般に合意された定義はない。この程度の下落はごく普通に発生し、期間も短く、「一時的下げ」、「急落」、「反落」、「押し目」、「下げ」などいろいろな言い方がある。

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本稿は、UBS Financial Services Inc.が作成した“Bear market guidebook”(2022年5月24日付)を翻訳・編集した日本語版として2022年6月14日付でリリースしたものです。本レポートの末尾に掲載されている「免責事項と開示事項」は大変重要ですので是非ご覧ください。過去の実績は将来の運用成果等の指標とはなりません。本レポートに記載されている市場価格は、各主要取引所の終値に基づいています。これは本レポート中の全ての図表にも適用されます。

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