通貨市場

米ドルにピークアウト感

米ドルはピークを迎えつつあり、ここからの上昇はごく小幅で一時的にとどまると考える。

  • 米ドルはピークを迎えつつあり、ここからの上昇はごく小幅で一時的にとどまると考える。よって、通貨戦略において米ドルの評価を「推奨」から「中立」に引き下げた。
  • 当月の通貨見通しでは、2022年6月の予想を削除し、新たに2023年6月の予想を追加した。米ドルがピークを迎えつつあるとの見方を反映した。
  • 米ドル高を想定した買いポジションの積み増しは勧めない。カナダ・ドル、豪ドル、ニュージーランド・ドルなど資源国通貨は、米ドルに対して反発する余地があるとみている。

通貨市場を取り巻く先行きシナリオに変化が生じ始めているため、それに基づき我々の通貨見通しも変更した。これまで、主要通貨の中では、ユーロとスイス・フランを非推奨、米ドルを推奨としてきた。しかし、米国の利上げ見通しは十分織り込まれたと考えられ、一方欧州経済の減速懸念などからスイス・フランの下落余地は限定的と見込まれることから、米ドルの「推奨」、スイス・フランの「非推奨」を取り下げ、それぞれ「中立」とする。

豪ドルとカナダ・ドルは引き続き魅力度が高い。両通貨は、コモディティ主導の国際収支の改善と投資活動の活発化から恩恵を受けるとみられる。日本円と英ポンドは景気減速リスクを勘案し、「中立」を維持する。英ポンドについては大幅なネガティブ・キャリー(マイナスの金利収入)も意識される。

当月の通貨見通しでは、2022年6月の予想を削除し、新たに2023年6月の予想を掲載した。当該予想値を追加するにあたり期待リターンの微修正を行った。また米ドルがピーク水準にあるとの我々の見方を反映させている。

予想値の詳細

新たなユーロ/米ドルの見通しでは、2022年後半は1.05 ~ 1.10のレンジ内を推移し、2023年前半には1.10を超えてくると予想している。ユーロ/スイス・フランは当面1.00~1.05のレンジ内を推移し、来年までに1.00近辺に収束するとみている。米ドル/スイス・フランは年後半は0.95~1.00のレンジ内を推移した後、2023年には徐々に下落すると予想する。英ポンド/米ドルは当面下落圧力を受けるものの、2023年年央までに1.30に向けて緩やかに上昇すると見込む。ユーロ/英ポンドは0.85前後で動かず、英ポンド/スイス・フランは1.20レベルを推移しよう。

米ドル/日本円とユーロ/日本円は共に、円安の巻き戻しが一定程度見込まれることから若干低下すると予想する。カナダ・ドル、豪ドル、ニュージーランド・ドルなど資源国通貨は、米ドルに対して反発する余地があるとみている。3通貨はいずれも1桁後半の上昇率を示すと見込むが、ニュージーランド・ドルが他の2通貨に対して劣後すると考える。スウェ-デン・クローナとノルウェー・クローネは共にユーロに対して上昇するだろう。特にノルウェー・クローネは交易条件の改善によりスウェ-デン・クローナよりも上昇余地が大きいとみている。

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本稿は、UBS Switzerland AG、UBS AG Hong Kong Branch、UBS AG Singapore Branch、UBS AG London Branch、およびUBS Financial Services Inc. が作成した“Currency markets: Calling for a USD top”(2022年5月27日付)の一部を翻訳・編集した日本語版として2022年6月3日付でリリースしたものです。本レポートの末尾に掲載されている「免責事項と開示事項」は大変重要ですので是非ご覧ください。過去の実績は将来の運用成果等の指標とはなりません。本レポートに記載されている市場価格は、各主要取引所の終値に基づいています。これは本レポート中の全ての図表にも適用されます。

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