技術的ディスラプション

5Gは速いだけではない

技術的ディスラプション(創造的破壊)はいまや経済のあらゆるところで起きている。農業から銀行にいたるまで、eコマースやフィンテック、オートメーションといったトレンドの波が押し寄せ、既存企業はビジネスモデルの見直しを迫られている。しかも、こうした現象はまだ始まったばかりだ。

技術的ディスラプション(創造的破壊)はいまや経済のあらゆるところで起きている。農業から銀行にいたるまで、eコマースやフィンテック、オートメーションといったトレンドの波が押し寄せ、既存企業はビジネスモデルの見直しを迫られている。しかも、こうした現象はまだ始まったばかりだ。

破壊的な変革が生み出す収益はまだ小さく、たとえば世界の小売売上高に占めるeコマースの割合は10%前半にすぎない。フィンテックの普及率は1桁前半であり、ヘルスケアや産業用オートメーションではディスラプションの進行度はさらに下がる。このわずか10年の間に起きた劇的な変化を考えれば、テクノロジーを開発したり、テクノロジーベースのサービスを提供する企業が伝統的なセクターで既存大手から市場シェアを奪う状況はこの先も続くだろう。したがって、投資テーマとしての「技術的ディスラプション」は、今後も平均を上回る成長が見込めると考える。

5Gへの投資

このテーマに投資するためには、「ディスラプター」や「イネーブラー」と呼ばれる企業に幅広く分散投資することを推奨する。ディスラプターとは、技術イノベーションを駆使して新たなビジネスモデルを構築し、小売業や金融サービス業、製造業、ヘルスケアなどさまざまな業界の既存プレーヤーから市場シェアを奪う、いわゆるディスラプションを引き起こしている企業を指す。一方、イネーブラーとは人工知能(AI)、拡張現実(AR)/仮想現実(VR)、ビッグデータ、クラウド、5G(第5世代移動通信システム)といった基礎技術を開発・提供し、ディスラプションを支援する(イネーブルする)企業を指す。

2019年はテクノロジーを取り巻く環境が目まぐるしく変化した年だった。米中貿易摩擦や巨大IT規制をめぐる短期的な懸念から株式相場は一時下落したものの、景気回復期待が高まるにつれて相場は持ち直した。テクノロジーの影響力はかつてないほど強まっており、ディスラプションが加速していることは確かである。したがって、テクノロジー分野に投資する場合には、長期的な視点に立ち、モメンタムが高まっているディスラプションのトレンドに注目することを勧める。こうした構造的トレンドの1つが、本稿で取り上げる5Gである。

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