コロナ後の世界
コロナ後の世界
当面、市場の関心は、ロックダウン(都市封鎖)の緩和スピードと企業業績の回復ペースに向けられるだろう。しかし、投資家は、今回のコロナ危機が加速している構造的変化にも目を向ける必要があると考える。
2020.04.16
当面、市場の関心は、ロックダウン(都市封鎖)の緩和スピードと企業業績の回復ペースに向けられるだろう。しかし、投資家は、今回のコロナ危機が加速している構造的変化にも目を向ける必要があると考える。
コロナ後の世界は、政府の債務水準が上昇し、グローバル化が変容し、デジタル化が進んだ世界が訪れると考える。投資家はグローバルからローカルへのサプライチェーンの変化や、フィジカルからデジタルへのシフトの波を捉えつつ、ポピュリズムや保護主義、増税、金融抑圧、緩やかな物価上昇といった状況にも備える必要がでてくるだろう。
我々はコロナ危機による短期的な影響はあるものの、「緩やかな成長」という経済の中長期的な見通しが大きく変わることはないと考える。オートメーションやロボット導入への投資拡大や働く期間の長期化等により、金融抑圧、ポピュリズムといった負の影響はある程度緩和されるとみている。しかしながら、足元では高格付債券の利回りが低下していることから、ポートフォリオ内のキャッシュと債券の役割を見直す必要もあるだろう。
リスク許容度があり、更なる投資リスクを取ることに抵抗がない投資家は、キャッシュと高格付債へのエクスポージャーを減らし、その代替として高利回り債または地域的に分散された株式へのエクスポージャーを増やすとともに、米国物価連動国債(TIPS)やオルタナティブ投資を検討することができる。また、オートメーションとロボット、デジタルトランスフォーメーション、フィンテック、eコマース、ヘルステック、遺伝子治療等に関連した企業など、今回の危機によって加速する長期トレンドの恩恵を受ける企業も投資対象として有望とみる。