変わりゆくアジア

アジアのヘルスケア市場

アジアのヘルスケア市場は2024年には4兆2,000億米ドルと、2017年の2倍以上に成長すると予想され、年率平均12%で拡大する見通しである。

アジアのヘルスケア(医療)市場は目覚ましい変革を遂げつつあります。アジアの国々は人口の高齢化や新型コロナウイルス危機で露呈した医療の諸問題に対処し、デジタル化を進めるため、ヘルスケアへの投資を拡大しています。

業界の推計では、アジアのヘルスケア市場は2024年には4兆2,000億米ドルと、2017年の2倍以上に成長すると予想されています。この推計に基づくと、アジアのヘルスケア市場は年率平均12%と、世界市場の予想成長率5%をはるかに上回るペースで拡大する見通しです。

この成長シナリオには幅広い地域とセグメントが含まれており、様々な投資機会を生み出すものと期待されています。今回の「変わりゆくアジア」は、長期成長が見込まれるこのアジアのヘルスケア市場にスポットを当てます。

本レポートでは、特に中国、インド、日本のヘルスケア市場について掘り下げ、各市場の変革を後押しするトレンドに注目します。

とりわけ急速な成長が見込まれるのは中国です。高齢化に伴い、医療体制の拡充や医療費削減、医療の自給自足体制の構築に向けた投資と制度改革の機運が高まっています。政府による支援策と国内外の旺盛なニーズを背景に、中国のバイオテクノロジー、がん治療(オンコロジー)、医薬品開発業務受託(CRO)セクターは大きな進展を見せています。

新型コロナ危機を契機として、アジア全域でデジタル医療のプラットフォームが拡大しています。東南アジアではオンライン(遠隔)医療のユーザー数が危機前の6倍に増加しており、中国のオンライン医療の市場規模は2025年までに米国を抜いて世界最大になると予想されます。

一方、東南アジアはメディカル・ツーリズム(検診や治療・手術のための海外渡航)産業のメッカとなっています。インドは今後数年で大きく拡大するバイオシミラー(バイオ後続品)市場の波に乗ろうとしています。また、日本のヘルスケア業界は、高齢化問題の深刻化とともにイノベーションの必要性に迫られ、今まさにデジタル・トランスフォーメーションの扉を開こうとしています。

ヘルスケアの投資テーマは広範かつ多岐に亘ります。我々にとって必要不可欠な財/サービスであり、利用者は常に可能な限り最高の成果を求めています。投資にあたっては、リスクとボラティリティ(価格変動)を考慮し、個別銘柄選択ではなく、ミューチュアル・ファンドや上場投資信託(ETF)を通じて分散投資を行うことをお勧めします。アジアのヘルスケアに特化したファンドは以前は数が限られていましたが、業界の劇的な進化を反映して、ここ数年で急速に増えつつあります。


本稿はUBS AG Singapore Branch、UBS AG Hong Kong Branch、およびUBS SuMi TRUST Wealth Management Co., Ltd.が作成した“UBS Shifting Asia: Asia’s healthcare opportunities” (2021年9月2日付)の一部を翻訳・編集した日本語版として2021年9月30日付でリリースしたものです。本レポートの末尾に掲載されている「免責事項と開示事項」は大変重要ですのでご確認ください。過去の実績は将来の運用成果等の指標とはなりません。本レポートに記載されている市場価格は、各主要取引所の終値に基づいています。これは本レポート中の全ての図表にも適用されます。

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