ドル円

ドル円の下値余地は縮小

日米中銀の会合を受け、我々はドル円予想を引き上げるが、FRBが6月以降に利下げを実施し、日本国債利回りが1%に向かって上昇するとの見方から、中期的には円高に向かうとする予想を据え置く。

  • 米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀の金融政策決定会合を受けて、2024年6月、9月、12月、および2025年3月のドル円予想をそれぞれ148円、145円、143円、141円に引き上げる(従来は145円、142円、140円、138円)。
  • それでも、米連邦準備理事会(FRB)が6月以降に利下げを実施し、日本国債利回りが1%に向かって上昇するとの見方を理由に、中期的には円高に向かうとする予想を据え置く。

FOMCと日銀会合を受け、円高予想を見直し

FOMCと日銀の金融政策決定会合を受けて、2024年6月、9月、12月、および2025年3月のドル円予想をそれぞれ148円、145円、143円、141円に引き上げる(従来は145円、142円、140円、138円)。第1の理由は、FOMCメンバーによる政策金利予想(ドットチャート)の中央値が示す年内の利下げ回数は3回で維持されたものの、2回と見込んだ参加者があと1人多ければ、中央値でも2回となるところだったという点である。このことは、FRBによる2024年の利下げ幅が、市場に現在織り込まれている水準(約82ベーシスポイントの利下げ)を下回り、結果としてドル円の下値余地が縮小する可能性を示唆している。第2の理由は、日銀がマイナス金利政策を解除し、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)を撤廃したにもかかわらず、ドル円が上昇し、日本国債利回りが低下したという点である。これは、米国債利回りが高止まりする中で市場が引き続き円を資金調達通貨として捉えていることを示唆している。

我々はドル円予想を引き上げるものの、引き続きドル円の上値は限定的であり、2024年後半は下落するとみている。YCCが撤廃された今、日本国債利回りが現在の0.74%から1%に向かって上昇する可能性があるからだ。円安がさらに進んだ場合、最近ドル円が150円を上回ったときにみられたように、日本の金融当局者が懸念を強める可能性も高い。市場がFRBによる利下げを予想しているため、米国債利回りと米ドルが反発する可能性も限られるだろう。中期的には、FRBの利下げサイクル開始によって円高が加速するとみており、その時期を6月または7月と予想している。

市場でFRBによる金融緩和への期待が高まっている局面では、ドル円は急速に下落する可能性がある。これは、数カ月前の2023年11月半ばから12月下旬までの間にドル円が151.9円から140.3円へ急落したことからも明らかだ。

投資判断

レンジ:ドル円は今後数カ月の間、147~152円のレンジ内で推移し、その後2024年後半は143~148円のレンジを予想する。

リスク要因:米国のマクロ経済データが引き続き市場予想を上回ると、ドル円は152円を上抜ける可能性がある。

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本稿はUBS AG Singapore BranchおよびUBS Switzerland AG が作成した“USDJPY: Reassessing USDJPY downside potential”(2024年3月23日付)を翻訳・編集した日本語版として2024年3月26日付でリリースしたものです。本レポートの末尾に掲載されている「免責事項と開示事項」は大変重要ですので是非ご覧ください。過去の実績は将来の運用成果等の指標とはなりません。本レポートに記載されている市場価格は、各主要取引所の終値に基づいています。これは本レポート中の全ての図表にも適用されます。

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