Year Ahead 2021
Year Ahead 2021
チーフ・インベストメント・オフィスは、来たる2021年を展望する「Year Ahead 2021 - 新しい出発」を刊行しました。
2020.12.03
「新しい出発」となる2021年は、不確実性は残るものの、世界は正常化に向けて着実に進んでいくと見ています。一方で、未来に向けた構造的変革が加速していくでしょう。
2020年の投資が、外部環境の変化に耐性を示す「レジリエント銘柄」、「大型株」、「米国市場」に象徴されるとするならば、2021年は、「景気敏感株」、「小型株」、そして「グローバル市場」が中心となるでしょう。新型コロナウイルス対応のロックダウン(都市封鎖措置)の影響を大きく受けたセクターや市場が、今後回復に向かうと予想されるからです。
同時に、経済が未来像に向けて変化する中、長期的視点に立つ投資家には、グリーンテックやフィンテック、ヘルステックなど持続可能でデジタル化が進んだ世界の構築に必要な創造的破壊を起こす「ディスラプター」、そして5G技術の普及から恩恵を受ける企業を中心に投資拡大を検討していただきたいと思います。
「Year Ahead 2021」が、急速に変化する世界が投資環境に及ぼす影響を見極める一助となりますことを願っております。2021年も投資家の皆様の将来に向けたポートフォリオ構築のお手伝いをさせていただければ幸いです。
我々の見解と投資アイデアグループ
景気回復
我々の見解
2021年前半にはワクチンが世界各国に普及し、経済活動と企業業績は年末までに新型コロナ危機前の水準に戻ると予想する。
投資アイデア
- グローバル株式や出遅れ分の回復が期待できる景気敏感株、長期の勝ち組等、分散投資で次の上昇を捉える。
- 米国大型株やグローバル生活必需品セクターから資金を移動して、ポートフォリオの構成比率の修正・調整を行う。
金利
我々の見解
2021年はインフレ懸念が少なく、金利は当面低水準が続くものと予想する。
投資アイデア
- 選別したクロスオーバー債、米ドル建て新興国国債、アジア・ハイイールド債への投資で利回りを追求する。
- 低利回りのキャッシュと債券からの分散を図る。
米国
我々の見解
米国での新政権誕生で、追加経済対策の成立見通しや政策の予測可能性が高まり、それに伴って相場上昇のけん引役もシフトするだろう。
投資アイデア
- 米国中型株や資本財セクターの方が、米国大型株よりも利益成長余地が大きいと考えられる。
- 米ドルからG10通貨への通貨分散を図る。
長期投資
我々の見解
主要金融資産の将来リターンはここ数年のリターンに比べて低下するだろう。ただし、国債やキャッシュよりも株式およびその他実物資産の見通しの方が良好である。
投資アイデア
- 「The Next Big Thing (ザ・ネクスト・ビッグ・シング)」である次の主要テーマに投資するために、既存のテクノロジー株から5G (第5世代移動通信システム)、フィンテック、ヘルステック、グリーンテックへの資産の再配分を行う。
- 保有する上場株式の最大20%をプライベート・エクイティに入れ替えて資産クラスの分散を図る。
新しい出発
2021年は新たな成長、新たな利回り追求、米国の新政権、再生可能な新しい未来をもたらすだろう。
問題を読み解く鍵
世界の回復はこの先どう進むのか? 経済政策はどの方向に向かうのか? 米国市場で次に来るのは?
投資の見通し
2021年は、分散投資で次の上昇をとらえ、利回りを追求し、米ドルからの通貨分散を勧める。
変革の10年
コロナ危機後の世界は、債務膨張、格差拡大、現地化が進行し、またデジタル化の進展とサステナビリティ重視の動きが見られるだろう。
投資アイデア
次の10年は、「The Next Big Thing (ザ・ネクスト・ビッグ・シング)」、持続可能性、プライベート市場への分散を勧める。
2020年の振り返り
政策決定における選択が、他に未曽有の影響をもたらしたことを目の当たりにした。その結果として、2020年の市場を振り返る。