アジア太平洋地域への投資

アジアの転換点

世界の他の地域と同様、アジアも2023年は転換点を探る年となるだろう。

世界の他の地域と同様、アジアも2023年は転換点を探る年となるだろう。アジア株式のドローダウン(下落)期間は過去最長レベルに及んでおり、アジア債券も2022年は過去最悪の年となる見通しだ。さらに、アジア各国の通貨も2022年は米ドル高に伴う下落圧力に晒された。

しかし、転換点を迎えるには、まず様々なハードルが解消される必要がある。足元、インフレ率は依然として高止まりしており、世界的な金利急騰を背景に世界経済は全体的に減速しつつある。加えて、中国は新型コロナウイルスの感染を封じ込めるゼロコロナ政策を固持しており、不動産セクターも今なお安定化の兆しが見えず、経済回復への道のりは険しい。

また、昨今では経済情勢よりも地政学リスクや安全保障リスクの方が強く意識される場面が多く、中国および米中の覇権争いが新たな安全保障時代の焦点となっている。また、投資家も、近年では初めて金融緩和策による景気の下支えが期待できない年を迎えることになる。

こうした「ニューノーマル(新常態)」の世界において、相場変動の大きい市場環境を切り抜けていくのはたやすいことではない。だが、アジア市場全体でバリュエーションが低下している足元の局面は、主要資産クラスに長期的なポジションを構築する好機と捉えることができる。また、相場の流動性が高く動きが速い状況が続くとみられる。例えば、中国の新型コロナ対策に前向きな展望がみられれば、市場のセンチメントが一気に上向く可能性もある。こうした環境下では、投資家は市場の転換点に備えた機敏な対応が必要になる。

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本稿はUBS Singapore AG Branch、UBS Hong Kong Branch、UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメント株式会社が作成した“Investing in Asia Pacific”(2022年11月17日付)の一部を翻訳・編集した日本語版として2022年12月19日付でリリースしたものです。本レポートの末尾に掲載されている「免責事項と開示事項」は大変重要ですので是非ご覧ください。過去の実績は将来の運用成果等の指標とはなりません。本レポートに記載されている市場価格は、各主要取引所の終値に基づいています。これは本レポート中の全ての図表にも適用されます。

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