サステナブル投資

コロナ後のサステナブル投資

コロナ後の世界ではESG(環境、社会、ガバナンス)の要素を重視する投資家がさらに増えると予想される。特に、企業の透明性向上とステークホルダー・アカウンタビリティ(説明責任)を問う姿勢が強まると考える。

  • コロナ後の世界ではESG(環境、社会、ガバナンス)の要素を重視する投資家がさらに増えると予想される。特に、企業の透明性向上とステークホルダー・アカウンタビリティ(説明責任)を問う姿勢が強まると考える。
  • 企業や投資家の間では「ソーシャル(社会)」の注目度、取り組みが高まっている。特に医療や医薬品へのアクセス、教育、サステナブル・ツーリズム(持続可能な観光)、ソーシャルボンド等への関心が高まっている。
  • 環境問題における経済的ベネフィットとリスクへの認識が高まる中、環境関連の投資機会や低炭素エネルギーへの移行(再生可能エネルギー、持続可能な交通、生物多様性の保全、グリーンボンドなど)は今後も投資家の関心を集めるだろう。
  • これまでESG要素が投資プロセスに積極的に取り入れられていなかった資産を含め、幅広い資産クラスにサステナブル投資が組み入れられるだろう。
  • 市場のボラティリティ(変動性)が急上昇した直近の局面でも確認されたように、サステナブル投資は今後もパフォーマンス上の利点が見込まれる。サステナブル投資戦略は、一般に、こうした激動の環境下でも高いディフェンシブ性を発揮し、サステナブル投資の関連商品や分散ポートフォリオは伝統的な運用戦略に匹敵するリターンが期待される。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は2020年の世界経済と市場に大きな打撃をもたらしたが、サステナブル投資戦略および関連商品は伝統的な運用スタイルに比肩し、あるいはそれを上回るパフォーマンスを示した。今般のコロナ禍は一時的かつ異例な状況であり、投資期間を長期化した場合でもこうした良好な相対パフォーマンスが期待できると結論付けることはできない。だが、ポートフォリオの中にサステナブル投資を組み入れている投資家は、こうした局面でも短期リターンを獲得できたことで、サステナブル投資への確信を深めることができたと考える。

今回の危機により、企業業績や投資リターンにおいてESGを考慮することの重要性が明らかとなった。ESG要素は今後も企業および投資家の行動に影響を及ぼすだろう。本稿では、新型コロナのパンデミックと世界的な緩和措置が結果的に生み出した、あるいは加速している5つのトレンドについて掘り下げる。これらのトレンドは今後1年は続くとみられ、サステナブル投資の長期的展望に影響を及ぼすと考える。

1.ESG要素を考慮に入れる投資家が増える。
2.企業や投資家の間では「ソーシャル(社会)」の注目度、取り組みが高まっている。
3.環境問題における経済的ベネフィットとリスクへの認識が高まる中、環境関連の投資機会や低炭素エネルギーへの移行は今後も投資家の関心を集めるだろう。
4.幅広い資産クラスにサステナブル投資が組み入れられだろう。
5.市場のボラティリティ(変動性)が急上昇した直近の局面でも確認されたように、サステナブル投資は今後もパフォーマンス上の利点が見込まれる。

今般のコロナ禍により世界経済は当面、低成長化が見込まれることから、上述のトレンドは一過性では終わらないと考える。また、一部地域(特に欧州)ではコロナ危機前からサステナブル投資に関する規制や監督を強化する動きが続いていることに加え、よりレジリエント (強靭)な社会構築をめざす新型コロナ感染からの経済復興計画も打ち出されている。よって、以前とは全く異なるコロナ後の新たな経済環境下でも、サステナブル投資の運用資産残高は引き続き拡大していくものと予想される。

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本稿は、UBS Switzerland AG および UBS Financial Services Inc. (UBS FS)が作成した“Sustainable investing: Sustainable investing after COVID-19”(2020年5月12日付)を翻訳・編集した日本語版として2020年8月20日付でリリースしたものです。本レポートの末尾に掲載されている「免責事項と開示事項」は大変重要ですので是非ご覧ください。過去の実績は将来の運用成果等の指標とはなりません。本レポートに記載されている市場価格は、各主要取引所の終値に基づいています。これは本レポート中の全ての図表にも適用されます。

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