ドル円

日米の金融政策乖離は続く見通し

ドル円相場は従来予想を維持し、12月末を113円、2022年3月末を114円、同年6月末を115円に据え置く。2022年9 月の見通しとして1米ドル=116円を新たに追加する。

  • ドル円相場は、日米の金融政策の乖離により、今後も米ドル高・円安トレンドが続くと予想する。さらに、2022年9月の見通しとして1米ドル=116円を新たに追加する。
  • 日銀は7月の金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決定した。国内のインフレ圧力が高まる気配はないため、日銀は中期的にハト派姿勢を維持するものと予想する。
  • 我々の米ドル高・円安予想に対する主なリスクは、世界の経済成長とリスク・センチメントの大幅な悪化、日銀の予想外のタカ派スタンスへの変更などである。

2022年9月までに1ドル=116円をつける見通し

ドル円相場は従来予想を維持し、12月末を113円、2022年3月末を114円、同年6月末を115円に据え置く。さらに、2022年9月の見通しとして1米ドル=116円を新たに追加する。ドル円は、6月中旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降、米ドル高圧力と米金利の低下圧力が拮抗し、109.5~111.5円のレンジ内でほぼ安定推移している。米10年国債利回りは想定以上に低下しているが、米経済の力強い回復を背景に、今後数四半期で2~2.1%の水準まで再び上昇すると予想する。ドル円相場は日米金利差への感応度が高いため、米金利上昇によりドル円は来年9月には116円に達するものと見込む。

米連邦準備理事会(FRB)が今後12カ月の間に徐々に金融政策の正常化を進めると見込まれる一方で、日銀は当面、超緩和的な金融政策を維持することが予想される。米国ではコア消費者物価指数(CPI)インフレ率が3%を超えており、長期の期待インフレ率も2%超だが、日本のコアCPIは0%程度、長期期待インフレ率も0.1%前後と非常に低い水準で推移している。日本の物価は日銀の目指す2%を大きく下回っていることから、期待インフレ率をさらに低下させるリスクのある政策引き締めに転じるとは考えにくい。よって、日銀は今後もG10諸国の中で最もハト派的な中央銀行の1つであると予想され、引き続き日本円を調達通貨として活用することを推奨する。

投資見解

  • 見通し:ドル円相場は、日米の金融政策の乖離により、今後12カ月は米ドル高・円安トレンドが続くと予想する。
  • レンジ:1ドル=105円に向かえば日本の運用会社がヘッジ無しでの外債投資の積み増しに動くとみられるため、この水準が下値支持線として強く意識されるだろう。一方、115円は上値抵抗線となり、この水準では日本の輸出業者が為替ヘッジを活発化させるだろう。
  • リスク:日銀が現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)を予想外に変更するようなことがあれば、投資家の間に動揺が広がり、ドル円が105円を割り込むなど円が上昇する可能性がある。一方、米国の指標が予想以上に上振れた場合は、FRBがタカ派姿勢を強め、対円での米ドル上昇ペースが加速する可能性がある。

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本稿はUBS AG Singapore Branch およびUBS Switzerland AGが作成した“USDJPY: Fed-BoJ policy divergence to persist”(2021年7月16日付)を翻訳・編集した日本語版として2021年7月19日付でリリースしたものです。本レポートの末尾に掲載されている「免責事項と開示事項」は大変重要ですので是非ご覧ください。過去の実績は将来の運用成果等の指標とはなりません。本レポートに記載されている市場価格は、各主要取引所の終値に基づいています。これは本レポート中の全ての図表にも適用されます。

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