金相場
2026年も強気の見通し
金需要は2026年、FRBによる利下げサイクル継続見通し、実質金利の低下、地政学的不透明感の持続、中間選挙を巡るノイズ、財政懸念の高まりなどから、さらに高まると予想する。
2025.11.26
- 金(gold)は、年初来で約60%の価格上昇を遂げ、今年特にパフォーマンスが高い資産となっており、1オンス当たり4,000米ドルを上回る水準が定着しつつある。直近では調整局面もあったが、2026年にはさらに上昇すると見込み、6月時点の予想値を4,500米ドルへ引き上げた(従来は4,200米ドル)。
- 米連邦準備理事会(FRB)による利下げや実質金利の低下、地政学的不透明感の持続、米中間選挙を巡るノイズ、財政懸念の高まりなどが、投資家および中央銀行による金需要を引き続き下支えすると予想する。加えて、2026年後半には宝飾品需要の改善も見込まれる。
- 我々は金に対する投資判断をAttractive(魅力度が高い)で維持し、グローバル資産配分に金を組み入れている。また、現状の水準でもポートフォリオのヘッジ手段としての有効性が高いと考える。上振れシナリオの予想値を4,900米ドル(従来は4,700米ドル)へ引き上げ、下振れシナリオは3,700米ドルで据え置く。
金(gold)需要は2026年、さらに高まると予想する。主な要因としては、米連邦準備理事会(FRB)による利下げサイクル継続見通し、実質金利の低下、地政学的不透明感の持続、そして中間選挙を控え、財政リスクが拡大する中で米国内の政策環境が変化していることが挙げられる。米国の財政見通しが悪化すると予想される中、金はカウンターパーティーリスク(取引先が破綻するリスク)が存在しない資産であることから、中央銀行や投資家による購入の流れが今後も続く可能性が高い。よって、金のように利息を生まない資産を保有する際の機会コストを示す実質金利の低下に伴い、2026年も金の上場投資信託(ETF)購入が続くと予想する。過去の相関に基づけば、2026年の金のETF流入量は750トンに達する見通しである。これは2025年の流入量見通しである870トンを下回るものの、2010年以降の10年余りにおける年平均流入量の少なくとも2倍に相当する。
さらに、来年は中央銀行や政府系ファンドによる積極的な買いも継続すると見ている。金利上昇や米ドル高の局面でも、こうした動きが金価格の構造的な押し上げ要因となってきた。2026年の購入量は900トンと予想しており、2025年からはやや減速するものの、2010-2021年の年平均(約450-500トン)を大きく上回る水準である。CIOの見通しに対する主なリスクとしては、FRBがタカ派の姿勢をとることや、中央銀行による金の売却が挙げられる。また、2026年第4四半期の米国政治イベント通過後には、金価格が1オンス当たり4,300米ドル前後で一時的な調整局面を迎えると予想している。一方で、政治・金融リスクが急上昇した場合は、上振れシナリオの予想値である4,900米ドルに到達する可能性もあると考える。

