ドル円

日銀の早期政策修正観測高まる

日銀が12月中にも政策を修正するという市場の思惑から、日米金利差の縮小を見込んでドル円が下落している。政策修正が早まれば、中期的な我々の円高ドル安予想が早期に実現する可能性がある。

  • 日銀が12月中にも政策を修正するという市場の思惑から、日米金利差の縮小を見込んでドル円が下落している。
  • 日銀の政策が予想より早く修正されれば、中期的な我々の円高ドル安予想が早期に実現する可能性がある。

日銀の政策修正に対する思惑が過熱

12月19日の日銀金融政策決定会合で、マイナス金利政策が解除されるとの思惑が高まるなか、ドル円が急速に下落した。日銀の氷見野良三副総裁による12月6日の発言が、大規模な金融緩和政策を適切に解除すれば経済に恩恵となるという主旨に捉えられたことによるものだ。さらに、植田和男総裁は7日、出口戦略の検討に向けた方針に言及した。

こうした発言により、日銀が早ければ12月19日の会合でマイナス金利政策を解除するとの市場の思惑が広がった。仮にそうなれば、我々が予想していた2024年4–6月期(第2四半期)よりも早く解除されることになるため、ドル円は我々の予想する円高ドル安の水準に想定より早く到達する可能性がある(現在のドル円予想は、2024年6月が143円、2024年12月が140円)。

トレーディング指向の投資家にとって、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀会合は注視すべき重要な会合になる。12月13日のFOMCで米連邦準備理事会(FRB)が想定ほどハト派に傾かない場合、あるいは2024年中に125ベーシスポイント(bp)の利下げが行われるという現在の市場予想をドット・チャート(FOMC参加者による金利見通し)が支持しない場合には、米ドルが一時的に反発する可能性がある。一方、日銀会合前後のドル円は、2023年7月28日と10月31日の同会合時と似た動きを見せると考えられる。つまり、会合前には円高ドル安方向となるが、会合で政策が修正されたにもかかわらず日銀がハト派姿勢を示し、市場が失望して、会合後に再び円安ドル高方向へ動くというものだ。よって今後数週間、ドル円は140円割れまで急速に下落し続けるのではなく、140~146円のレンジ取引で推移する可能性がある。

投資判断

見通し:12月13日のFOMCと12月19日の日銀会合の結果が注目材料である。

レンジ:市場がFOMCと日銀会合での判断に身構えるため、今後数週間ドル円は140~146円のレンジで大きく変動する可能性がある。

リスク要因:米国経済が減速しなければ、FRBの積極的な利下げに対する市場の思惑が後退し、ドル円が下落基調とならない可能性がある。

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本稿はUBS AG Singapore BranchおよびUBS AG Hong Kong Branchが作成した“USDJPY: BoJ policy normalization in focus”(2023年12月8日付)を翻訳・編集した日本語版として2023年12月12日付でリリースしたものです。本レポートの末尾に掲載されている「免責事項と開示事項」は大変重要ですので是非ご覧ください。過去の実績は将来の運用成果等の指標とはなりません。本レポートに記載されている市場価格は、各主要取引所の終値に基づいています。これは本レポート中の全ての図表にも適用されます。

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